お知らせ

目連尊者の回向

 目連尊者は、お釈迦さまの十大弟子の一人。 神通第一といわれる超能力の持ち主てす。

 

 目連尊者は、今は亡きお母さんにどうしても会いたくて、持ち前の超能カでお母さんが今どこにいるのか探してみました。すると、 お母さんの青提女(しょうだいにょ)は、生きていたときの欲張りの罪で、あろうことか餓鬼の世界で苦しんでいました。

 首は糸のように細く、お腹は風船のように大きく膨らんでいます。空腹をいやそうにも、食べ物がのどを通りません。

「お母さんがかわいそう・・・」

 目連尊者は、超能力を使って食べ物をお母さんのもとへ送ります。お母さんは、今も変わらず欲張りて、食べ物を両手でかくし、独り占めして食べようとしました。

 すると、食べ物は手の中で次々に熱い炎となり、お母さんは苦しみます。 目連尊者は、あわてて水をかけましたが、こんどはその水がまた炎となってお母さんを襲います。

 目連尊者は、助けようとすればするほど、かえって苦しめてしまう自分が悲しくてなりません。どうすればよいのか教えてもらうために、お釈迦さまのもとをたずねました。するとお釈迦さまは、

 「もうすぐ七月十五日、雨期の修行が終わります。そのときに、修行を終えた修行者たちにたくさんの食べ物をお供養し、じぶんが積んだ善い行いの功徳をお母さんに届けるのです」

 目連尊者は、お釈迦さまの教えにすなおにしたがい、亡きお母さんを餓鬼界の苦しみから救ったのでした。この後、目連尊者はお題目の回向によって、お母さんを六道輪廻の苦からも救ったのです。