日本の仏教宗派
2016.04.18
【奈良仏教】
「律宗」
開祖:鑑真
総本山:唐招提寺
教え:他宗が三蔵のうち「経」・「論」によって宗を立てるのに対し、律宗では「律」によって宗を立てる。戒律の研究実践を解脱の因とする宗派。
「華厳宗」
開祖:審祥
総本山:東大寺
本尊:毘盧舎那仏
教え:『大方広仏華厳経』を依経とし、世界の実相は個別具体的な事物が、相互に関係しあい、無限に重なりあっていると説く。
「法相宗」
開祖:道昭
総本山:興福寺、薬師寺
教え:インドの瑜伽行唯識学派の思想を継承する宗派。阿頼耶識を根本識とし、一切法は阿頼耶識に蔵する種子より転変せらるとする。また、菩薩定性、独覚定性、声聞定性、不定性、無性有情の五性を説き、このうち成仏できるのは、「菩薩定性」と「不定性」の一部分のみで、どの種性に決定されているのかは、仏の知見によらなければ知ることはできないとする。(五性各別)
【平安仏教】
「天台宗」
開祖:最澄
総本山:比叡山延暦寺
本尊:釈迦如来・阿弥陀如来・観世音菩薩・薬師如来・不動明王
教え:『法華経』を中心に仏教を体系化しようとする教義に、密教、禅、戒律を加え、第三代座主・円仁、第五代座主・円珍、五大院安然が天台密教として確立した。
「真言宗」
開祖:空海
総本山:金剛峰寺、高野山、東寺
本尊:大日如来
教え:『大日経』、『金剛頂経』、『蘇悉地経』を依経とし、それまでの仏教を「顕教」とし、秘密仏教である「密教」と明確に区別した。即身成仏を説く。
【鎌倉仏教】
「浄土宗」
開祖:法然
総本山:知恩院
本尊:阿弥陀仏
教え:『無量寿経』、『観無量寿経』、『阿弥陀経』を依経とし、「南無阿弥陀仏」を称なえることによって、極楽浄土に生まれることが出来ると説く。
「浄土真宗」
開祖:親鸞
総本山:西本願寺、東本願寺
本尊:阿弥陀仏
教え:『無量寿経』、『観無量寿経』、『阿弥陀経』を依経とし、阿弥陀仏の本願を信じ、極楽往生を願った時に救われると説き、本願力による浄土への往生と、往生して成仏した後、衆生救済のために再びこの世界に戻ると説く。
「時宗」
開祖: 一遍
総本山:清浄光寺、無量光寺、日輪寺、金連寺
本尊 :阿弥陀仏
教え:「南無阿弥陀仏」という名号を称なえれば、阿弥陀仏が衆生を救ってくれると説く。
「臨済宗」
開祖:栄西
本山:南禅寺、京都五山、鎌倉五山
本尊:釈迦如来・薬師如来・観音菩薩など
教え:坐禅・公案・読経・作務などの修行を通して、仏性を自覚することを旨とする宗派。
「曹洞宗」
開祖:道元
本山:永平寺、総持寺
本尊:釈迦如来
教え:坐禅の教えを依りどころとし、坐禅によって得る身と心のやすらぎが、そのまま「仏の姿」であるとする。
「日蓮宗」
開祖:日蓮
本山:身延山久遠寺等
本尊:大曼荼羅
教え:『妙法蓮華経』を依経とし、「南無妙法蓮華経」の口唱によって、一切衆生が救われると説く。また、個人の救済だけでなく、社会や世界の救済も説く。
【江戸時代】
「黄檗宗」
開祖:隠元
本山:萬福寺
教え:明治9年臨済宗から独立して一宗となる。臨済宗、曹洞宗が日本風に姿を変えた現在でも、黄檗宗は明朝風様式を伝える。生まれながらにして持っている仏心を、座禅行によって見出し、仏陀と同様の境涯を体得する。